ボートレース場滞在記Vol.1(ボートとの出会い~尼崎編)

読者の皆様、こんにちは、こんばんは 舞(まい)です。

 

今回から【ボートレース場滞在記】と題しまして、全国に24場あるボートレース場をそれぞれ初めて訪れた際に肌で感じた感想をまとめていこうと思います。

 

記念すべき第1弾は【ボートレース尼崎】です。

また、今回に関しては、ボートとの出会い~初来場も含めて書き記そうと思います。

現在は初来場から2年弱が経過しているので、その当時の心情を思い出しながら書き記そうと思います。どうぞご覧ください。

 

 私にとって【ボートレース尼崎】は特別な場の1つである。何と言っても初めて訪れたボートレース場だからだ。尼崎を選んだ理由は単純に【自宅から近い】だけだったが、初めて訪れるボートレース場としてはすごく"丁度良い"場だったと思う。

 そもそも、私がボートレース場を訪れた理由は博打を打ちたかった訳ではない。求職のためだった。

 2019年5月、当時の私は22歳の新卒でとあるITベンチャー企業に就職したが、業務に対しての関心も能力も無く、わずか2カ月足らずで退職した。今思えばもう少し頑張れたと思うが、当時の自分にはそんな余裕は無かった。目の前は真っ暗だった。一寸先は光が差していたかもしれないのに。

 新卒カードを使って就職したにも関わらず早々に退職してしまったこともあり、急いで次の職を探した。前職の反省を活かして、コミュニケーション能力を前面に出していける職を探した。複数の転職サイトに登録し、ようやく見つけた仕事がA社の【ボートレーサーへのインタビュー業務】だった。雇用形態は契約社員という区分だったが、「これなら出来るかも、そしてやってみたい」と思った私はすぐさま応募した。エントリーシートはお粗末なものだったが、熱意を汲んでくれたのか、比較的善戦していた。エントリーから1週間が経過した頃、A社から選考が長期化する旨の連絡があったので、「そうだ、一度ボートレースを観に行ってみよう。」と思い立ち、ネットで検索したところ一番近かった場こそが【ボートレース尼崎】だった。

 そして、2019年6月19日、ボートレース尼崎に初見参。当時は知る由も無かったが、グレードレース(G3)の最終日だった。世間では普通の水曜日だったが、高齢者を中心に賑わっていたと記憶している。阪神電車に乗り、これまでは通過点に過ぎなかった【尼崎センタープール前】駅で降車後、スロープを通って入り口へ向かった。

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 まずは入り口に到着した段階で圧巻された。公営競技と言えば3K(暗い、汚い、怖い)という印象であったが、場外とは言え、全くそんな雰囲気は無かった。(お世辞にも清潔感があるとは言えないおじさまは居たが)そして、入場後も屋根が高く開放感のある造りになっており、大人の娯楽施設という雰囲気も良い意味で無かった。そのままスタンドを右手に見ながら歩いていると、徐々に左手に広がっていく水面の美しさには感動した。もちろん、全国にわずか24場しかない本場と言うこともあるが、難波のWINSとは比べ物にならないほど空気が澄んでいた。

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 そして、いよいよ初のレース観戦。スタンド2Fの無料席の中でも比較的スリットが良く見える席を選んだ。この時点の私は【ボート=1号艇がほぼ勝つ】という程度の知識量だった。そんな状態で迎えた第3R。地元・兵庫支部の尾嶋一広選手が大外からまくり差しを決めた。まくりとまくり差しを見抜ける程までは目が肥えていなかったが、本場の雰囲気も相まって、とにかく凄いことは伝わった。「ボートレースなんて所詮ギャンブルだろ。」と思い込んでいる人は多いと思うが、単なるギャンブルの枠を超えた魅力が詰まっていると確信した。これがボートレースに本格的に興味を持つキッカケとなったレースだと明確に言える。そして、自分の中で【尾嶋一広】という選手が忘れられなくなった。

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 そんな運命的なレースを見た後からは、実際にレースに賭けてみることにした。とは言え、この時点での自分の脳は【ボート=1号艇がほぼ勝つ】のため、1頭からしか買えなかった。そして、点数を少なく抑えられる【2連複】や【拡連複】などを購入していた。勝つことには拘らず、とにかくダメージが最小限に済めばOKだったのでそれでも十分楽しめた。第11R終了時点では+610円だった。出走表の見方もまともに知らなかった割にはかなり健闘していたと思う。

 そして第12R優勝戦。展示航走の見方が分からなかったので、浮き分を使って安牌の3連単1-234-234の6点を即決購入した。レース直前までは6日間の節を締めくくる優勝戦だということに気付いてすら無かったが、締め切り時間までの長さに違和感を感じ、ボートレースファンの予想にも明らかに熱がこもっていることを感じ取った。そして、「ああでもない、こうでもない」と言いながら展開について議論するおじさま方を見て少し誇らしく感じた。「ああ、人生はずっと楽しめるもんなんだ。」と。

 レースの結果はインの深川真二が圧巻の逃げで優勝。2着には地元・兵庫支部松本勝也が入ったが、3着には5号艇の金児になったため舟券は取り逃した。だが、初参戦で+10円という成績で"負けなかった"ことが、現在に繋がっているとも思う。

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 こうして私とボートレースは出会った。結果的に言うとA社に就職することにはならなかった。しかし、ボートとの出会いの機会を貰ったことには変わりなく、個人的には今でも勝手に感謝している。

 そして、初めて入場したボートレース場となったボートレース尼崎。冒頭に初めて訪ねる場としては"丁度良い"場と形容したが、その心は程よい時代錯誤が残っていたことだ。昨年からは大規模工事によってかなり綺麗に生まれ変わった尼崎だが、2年前はまだ至るところに昭和情緒が残っていた印象がある。この"新しすぎない"造りが、先入観(公営競技=3K)と近からず遠からずだったため、心地良く感じられたと分析する。もし、最初にボートレース住之江やボートレース蒲郡を訪ねていたら、あまりの場の壮大さ・美しさに驚き、先入観との違いに戸惑ったり、他の場を訪ねた際の感動が薄れていただろう。そう言った意味では、ボートレース尼崎から歩み始めたことは本当に"丁度良かった"。

 あれから2年の時が経ち、今では全国24場のうち18場を訪ねることが出来た。ただ、それだけ行動出来たのはフリーターの期間が長かったことが要因である。もちろん、そのことによって悩まされることも多くあった。しかし、「こんな生き方も悪くない」と心から思っているし、かなり満足している。ボートレースを通して、多くの人々と出会えたことは私にとってこれ以上無い財産である。

 そんな私は、1人でも多くの新たなボートレースファンが誕生することを願って、このブログの記事を執筆していく所存だ。今回は【ボートとの出会い】にかなり照準を合わせてしまったが、次回以降はもっと各場ごとの魅力を伝えていきたい。次回第2弾は【ボートレース住之江】を予定。乞うご期待ください。

 

🍜グルメ情報🍖

 ボートレース尼崎グルメでオススメは「丸久」の焼きそば

屋台の焼きそばとは一味も二味も違い、店員さんの愛想も最高。自信を持って推薦。

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